第181章:ジェームズに汚れはありますか?

「本気で、うちの母さんを盾にして僕を揺さぶるつもりか?」

ジェームズの目が氷のように冷えきり、デイジーを見据える表情からは温度というものが消えていた。

デイジーは何も言わなかった。ただ一歩も退かず、視線だけをまっすぐ彼に絡めた。

ジェームズは無関心に彼女を見て言い放った。「僕が何を決めようが、母さんには止められない」

デイジーは瞬きし、また涙が頬を伝った。

「ジェームズ、脅してるんじゃないの。ただ、あなたと一緒にいたいだけ……」

うんざりした様子のジェームズは、平板な声で返した。「聞け。僕はただ伝えに来ただけだ。マーティン・グループは近く、僕たちの婚約解消を公表する」

そう言い捨...

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